「正伝寺:静寂と枯山水庭園とデヴィッド・ボウイ」①~ピロピの京都観光ブログ
皆さん
こんにちは。
秋も深くなりつつありますが、
京都の紅葉も今から12月初旬までが
見頃でしょうか?
今回はちょっとマニアックだけど、
知る人ぞ知る隠れたスポット、
西賀茂の「正伝寺」をご紹介します。
臨済宗南禅寺派、正確には「吉祥山正伝護国禅寺」といいます。
静寂と浪漫・・
洛中から少し離れた西賀茂に佇むこの寺は
海外のアーティストやミュージシャンからも
愛されて来た寺なのです。
中でも1980年代に
京都に度々長期滞在したデヴィッド・ボウイから
愛された寺でもあります。
↑僕が大切に保管しているデヴィッド・ボウイ特集のある雑誌
デヴィッド・ボウイと京都については
次回ご紹介しますが、
80年代、某お酒のCMの撮影をする際に
ボウイ直々希望したロケーションが
この「正伝寺の枯山水庭園」でもあります。
「正伝寺」は
1282年に現在の地に再建(元々は烏丸今出川付近)され、
1323年に後醍醐天皇の命により寺が整備されました。
応仁の乱など度重なる兵火で
しばらく荒廃し、他の京都の寺院と同じく
豊臣秀吉の意志を継いだ徳川家康によって再興されました。
方丈の天井には
伏見桃山城の廊下の板が使われています。
「血天井」
と呼ばれ、
関ケ原の戦いの際、伏見桃山城に立て籠って果てた
徳川方の重臣、鳥居元忠たちの血のついた足跡が
今も残っています。
伏見桃山城の廊下は
他にも養源院や源光庵でも「血天井」として
移築されています。
↑「獅子の児渡し」と呼ばれる枯山水庭園
「獅子の子渡し」と呼ばれる庭園。
白砂とサツキ等の刈込だけが 7・5・3と並ぶ庭園。
バックには遠く比叡山が滲んで見える絵画のような
構図です。
↑狩野山楽による襖絵
方丈の襖絵は
1605年頃に、京都狩野派の狩野山楽が伏見城本丸御殿を
修理した際に、家康の発注により描かれた貴重なものです。
山楽は狩野元信、松栄、永徳と継承した
豪華な画風を「京都狩野派」として残した人でもあります。
正伝寺に残っている襖絵は
中国杭州西湖の景色だそうで、永徳の豪華絢爛、迫力ある画風とは
違った渋さ、ダイナミックさが感じられました。
シンプルな枯山水庭園と襖絵と比叡山。
静寂の世界。
有名人気のスポットも良いですが、
こういった雰囲気と空間が「真の京都らしさ」
なのかも知れません。
方丈に座りながら
感動に涙を流した、と伝えられる
デヴィッド・ボウイ。
そんな彼を慕って
海外からもこの寺を訪れる観光客が
絶えません。
次回は
デヴィッド・ボウイと京都
にスポットを当ててみたいと思います。
正伝寺情報(2018年11月26日現在)
拝観時間 9:00-17:00
拝観料金 大人 400円 中学生 300円 小学生 200円
御朱印 300円
駐車場 有(無料)
アクセス バス 神光院前下車徒歩15分
京都駅から(西賀茂車庫行9系統)
京阪三条から(西賀茂車庫行37系統)
北大路駅から(西賀茂車庫行37系統・1系統)